古代DNA〜日本人の来た道〜
- 2025.04.30
- わたしのひとり言

国立科学博物館で開催されている、古代DNA〜日本人の来た道〜
を観てきました。
昨今のDNA研究は、旧石器時代のわずかな骨の分析から、古代人の髪や目、肌の色のほか、どんな病気にかかりやすかったかまでも明らかにすることができるようになったそうです。
そして、技術の発展とともに飛躍的な進化により、ホモ・サピエンスの道のりが従来想像されていたよりもはるかに複雑であったことが分かってきました。
白保竿根田原洞穴遺跡(しらほさおねたばるどうけついせき)
2008年の新石垣空港の建設に伴う事前調査で25体の人骨が発見され、それがまさか旧石器時代の人骨だったなんて、最初に見つけた方はびっくりされたことででしょうね!
日本でこれだけの人骨がまとまって発見された旧石器時代の遺跡はなく、その重要性から2020年3月には国史跡に指定されたそうです。
DNA分析、ゲノム情報を最新の研究に導いてくれたのが、歯です!
頭蓋骨の形、歯並びなどを見ると、ホモ・サピエンスの来た道のりを知ることができます。
縄文系弥生人の歯はとてもすり減っていて、渡来系弥生人の歯には溝があります。
硬い肉を食べてすり減っていたのが、米などを食べることにより、すり減りが少なくなりました。
と解説されていましたが、上下の歯が咬み合った時に、上の歯が下の歯を覆う状態(被蓋)するようになり、なるべく歯がすり減らないような噛み合わせに進化したことにより、歯の寿命も延びるようになったのかなと思いました。
こちらは、20代女性の人骨
奥歯に虫歯がありました。当時は歯医者さんがいなくて、きっと痛い思いをしたことでしょう。
実際に縄文人の歯を見ると、前歯なのに、サイコロのような形をしていました。
私たち、歯科医師にとって、興味深い内容が多く、大変勉強になりました。
親知らずがない、つまり先天的に第三臼歯が生えてこない人の割合は、現代では25%程度と言われています。
縄文時代に親知らずがない人の割合は約5%,弥生時代に親知らずがない割合は約20%.
最近の若者は顎が小さくなったから、親知らずが生えなくなったと言われますが、進化とはそんな100年単位の話ではなく何万年もの間に変化するものであることが、よくわかりました。
実際に江戸時代の人骨を見ていて、親知らずがある人ない人が見られました。
歯の型取りを行うシリコン印象材によって、縄文人の食生活まで分かるなんて!
実は、この日は夫である健ちゃんとの結婚20周年。
素敵な1日を過ごすことができました。
これからも笑顔で一緒に過ごしていきたいなと思います。
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