総入れ歯について
稲葉歯科医院の総入れ歯は、『上下顎同時印象法』という治療方法で良好な結果を得ていますが、この治療方法は父の稲葉繁が開発し、全国の先生方に広めている方法です。
歯科医師向けの本や雑誌は何冊もでているのですが、患者さん向けの文章がほとんどないので、今回から数回にわたり、総入れ歯について私がなるべくわかりやすい文章にして、みなさんにお伝えしたいと思います。
まず一回目は現在一般的に治療されている入れ歯の製作方法と上下顎同時印象との違いについて書きたいと思います。
江戸時代の人がぴったり合う入れ歯を使ってた!?
世界最古の木床入れ歯が日本の江戸時代の埋葬頭がい骨から発見されました!
とてもよく使われていたようで、歯が天然の歯のようにすりへっているのです。
よほど合っている入れ歯でないとこのようなすりへりはないことから、本当にびっくりしてしまいます。
当時の入れ歯の製作方法を調べてみると、とてもよくできていて、仏教芸術の伝統を受け継いでいることがわかります。
その製作方は、なんと、みつろうを使った型とりを上下一緒に行っていたのです。
みつろうを温め、そのかたまりを患者さんの口の中に入れてかみ合わせの高さまで記録します。
そのみつろうを口の中から取り出して上下二つに分けるのです。
江戸時代にこのような素晴らしい方法で製作していたなんて感心してしまいます。
舌の役割、総入れ歯でも同じ動き、機能を果たします。
わたしたちが生きていくための栄養摂取の第1段階として食事をするためのお口の中の機能はとても重要です。
歯があるときの舌の使い方、発音の仕方などは、歯がない総入れ歯の場合も同じ使い方をします。
まず、嚥下(食事をする)時、最初に舌を上あごに押しつけ、その後徐々に後ろのほうに移動して食物を飲みこみます。
このような舌の行動は、入れ歯をはずしてしまいやすくなります。
その際、入れ歯をはずれにくくするには舌が後ろに移動していく時にさわるあたりを安定させることが大切です。
また、発音に関しても舌はとても関係が深いです。
入れ歯が安定し、しっかりと吸着するには「天然の歯があったころと同じ場所に人工の歯を入れることが最も良いとされています。
歯があるときの状態は、外側からは頬の筋肉の圧力、内側からは舌の圧力によりバランスが保たれています。
たとえ、歯を失ってもこの状態は変わらず、外側からは頬の筋肉、前方からは唇が内側に押しているのですが、舌は外側への支えを失い、歯があった時と比較すると舌は大きく広がり、歯の入るスペースがないように見えます。
そのため、歯のない状態の型取りは非常に困難なように見えます。
「上下顎同時印象法による総入れ歯の製作法」は、この困難な型取りを患者さん自身に再現していただく方法です。
先生が想像して型をとるよりも、患者さんの以前あった筋肉の状態を上手に誘導してあげることで、患者さんが再現できることが理想的です。
私たちが食事をするとき、お口の中の筋肉がどのように働いているか、ちょっと想像してみてください。
そうです、つばを飲み込むとわかりやすいと思います。
唇、舌が強い力で歯を押し付ける感じになり、口の中は圧力がかかります。
これは入れ歯に対しても同じため、食事をするときと同じ筋肉の状態を 再現できるのがいいですよね。
食事をした時と同じ、つばを飲み込む状態なんて普通、どうやって型取りをするのだろう・・・・って思いますが、「上下顎同時印象法」では型とりの最中に、つばを飲んでもらいます。
これは、上下別々で型取りをしていた従来の方法では、絶対できなかったことです。
もちろんこの最終的な型取りをする前の準備があります。
あらかじめ、入れ歯の高さ、正中があっているかどうか、左右が対称であるかどうか確認して、専用のトレーを作成しておきます。
従来の入れ歯の形は入れ歯を下顎の舌の後ろ側に長くのばしていました。長くのばしておくと安定がいいからです。
でも、欠点があります。舌が動いていないときは入れ歯がはずれないのですが、舌が少しでも動き始めると入れ歯がはずれてしまうのです。
これでは、安心して舌を動かせません。
それに対して「上下顎同時印象法」による新しい入れ歯の形は舌の前方あたりのやわらかいところ(サブリンガルルーム)を利用して、舌が自由に動けるようにしました。
歯が抜けると、骨が薄くなります。そこをおぎなうのが床(ピンク色のプラスチック)ですが、この床の面積を大きくするほど、入れ歯もよく吸着します。
頬の筋肉の力のサポート、唇のサポートそして舌のサポートにより、入れ歯は吸着し、そのバランスが保たれているところに人工歯を並べると、とてもよい入れ歯ができあがります。
このバランスが合っていないと、笑った時に、下の歯しか見えなかったり、かみ合わせが低くて顔がつぶれたように見えたりします。
笑った時に見えるのは、「歯 」だけ見えるように作るのが理想的です。
上下顎、別々に型取りをする従来の方法はこのような歯の情報を得るのが難しいことから、「上下顎同時印象法」は精度の高い新しい技術と言えると思います。
Posted by yuri : 15:27 | トラックバック (0)
顎咬合学会
昨日、東京国際フォーラムにて開催された、顎咬合学会のテーブルクリニックで稲葉歯科医院顧問の稲葉繁先生が「難症例にも対応できる上下顎同時印象法による総入れ歯の製作方法」について発表しました。
たくさんの先生方が熱心に聞かれていて非常に充実した発表になりました!
難症例にも対応できる「上下顎同時印象法」による総入れ歯の治療方法
「在宅要介護高齢者」 「顎の骨が薄い」 「脳血管障害の後遺症による麻痺」 「顎関節症」 など、何症例とされる患者さんにも対応できる「上下顎同時印象法」を発表しました。
理想的な総入れ歯は口を閉じて、食事をするときと同じ状態で型をとることですが、現在の総入れ歯の「型取り」は、口を開けて上下の歯の型を別々にとれため口の中に装着すると誤差が生じるのと、来院回数が多い(6回から8回位)などの欠点がありました。
上下顎同時印象法による総入れ歯は、その名の通り、上下顎を一緒に「型取り」を行い、来院回数はわずか3回で完成します。
上下顎を一緒に「型取り」を行うことで、今まで難しかった患者さん自身の力による筋肉、舌、唇の型を模型上に再現するため、高い精度の総入れ歯をつくることができました。
また、今までの総入れ歯は、歯ぎしりや舌を前にだしたり、笑ったりすると入れ歯がはずれてしまうことがありました。
Struck設計による審美的にも機能的にも優れた人工歯を用いることで、歯ぎしりができるようになり、舌を前に出すところに入れ歯があたらないようにすることにより、入れ歯がはずれてしまうことなく楽しく食事ができます。
また、口を大きく開けるほど筋肉のサポートでいればが吸着するため、入れ歯であっても気にせずに笑うことができます。
『上下顎同時印象法』は年齢を重ね、歯を失うと、口元が低くなりつぶれたようになりますが、新しいシステムでは以前歯があった時と同じ口元にもどし、若々しい印象を取り戻すことができるため、アンチエイジング効果もあり、患者さんからも大変喜ばれています!
そして、『上下顎同時印象法』は難症例の患者さんにも応用されて、良好な結果を得ています。
Posted by yuri : 12:16 | トラックバック (0)
ゆりかごと木馬
見てください!かわいいでしょ。
籐でできたゆりかごと木馬です!!
知り合いの方が絵里衣と日鞠に譲ってくださいました。娘さんが使っていたものでずっと大切に保管してあったものです。
良いものはずっともつのですね。
毎日、保育園から帰ってくると絵里衣はこの木馬に乗って遊んでいます。
日鞠も気持よさそうにお昼寝しています。
今日は顎咬合学会の認定医試験があります。
勉強しなくては・・・(いまさらですが)と思うのだけど、ついこの写真をみて癒されてしまいました。
明後日、父が難症例にも対応できる上下顎同時印象法という総入れ歯の製作方法を発表します。
でも、とくに準備している気配もなく、大丈夫なのかな・・・・と思うけど、いつも大丈夫なんです(笑)
Posted by yuri : 13:21 | トラックバック (0)
定期的に歯のクリーニングをしましょう
歯の健康を維持し、できるだけ長く自分の歯を残すためには、予防が必要です。
毎日の歯ブラシをすることはもちろん大切ですが、定期的に歯科医院で歯をクリーニングすることをおすすめします。
歯科医師、歯科衛生士による歯のクリーニングは超音波スケーラーという特殊な器具を使って汚れを除去します。
特に歯垢に唾液中のカルシウムが付着してできる歯石は、歯ブラシなどの通常のお手入れでは落とすことができません。
特に異常がなくても定期的に、歯科医師、歯科衛生士にみてもらい、クリーニングを受けることが、むし歯や歯槽膿漏になるのを予防し、歯に対する関心も高まり、口の中に注意をはらうようになります。
これが結果として歯の健康によい影響をもたらします。
逆に歯科医師の健診をうけたことがない人は、重大な異常にも気づくことが遅れ、歯周病(歯槽膿漏)になったとき、すでに手遅れ、といった危険性が高くなってしまいます。
かむ機能をいつまでも!
これまでお伝えしてきたように、歯を失うということは、たくさんの重要な役割を果たせなくなるということです。
また、従来考えられていたように、歯を失うのは老化現象ではなく、予防をすることによって一生自分の歯で食べることが可能です。
できるだけ若い年齢から、正しいケアを実行していけば「80歳で20本」という目標もけっして実現不可能な高い目標ではないことを知っていただきたいと思います。
ご自分でできる歯の予防方法は
①歯ブラシ
②デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れを取り除くこと。
③お口の洗浄液で口をゆすぐこと。
ですが、これを日々こころがけて習慣にしたいですね。
知らず知らずのうちにしのびよる歯周病、さまざまな症状をひきおこす歯の成人病を予防し、自分の歯で噛む快適さ、健康を失わないようにしたいです。
Posted by yuri : 15:07 | トラックバック (0)
歯と口の健康管理
ふだん、あまり感じることはありませんが、歯や口は、わたしたちの健康と深く結び付いています。
日常生活を楽しく送るために、会話はかかすことのできない大切なものです。
歯が抜けたり、むし歯ができていたりしては、なんとなく会話を楽しむ余裕もなくなったり、口を隠すなどして笑ったりしてしまうこともあるでしょう。家族や友人との楽しい会話は精神的な健康にもつながります。
歯、口の病気が直接体に関係することもあります。
子供のころは毎年新学期にむし歯の健診があります。
治さなければならない歯を指摘され、歯科医院へ行くことになるのですが、成人すると、なかなか定期検診を受ける機会がありません。
放置されたままのむし歯は当然悪化し、細菌がはびこります。
歯に穴があき進行すると骨との交通ができ、不潔なものときれいな骨がが交わることになります。
この最近が血液中に入ると、血液が運搬の役割をして、全身に細菌をまき散らしていくことになるのです。
この感染を「歯性病巣感染」といいます。
歯性病巣感染とは歯に穴があくことで細菌が血液の中に入って全身に回り、さまざまな病気や弊害をひきおこします。
臓器移植や心臓病を持つ人などが感染すると生死にもかかわります。
かみ合わせの異常から全身病になることも
感染だけでなく、かみ合わせなどのバランスが悪いと全身に異常をきたすこともあります。
かみ合わせが悪いということは、「あごが正常な動きをしていない」または「正常な位置からズレている」ということです。
バランスはひとつ崩れると次々に崩壊していきます。
現代の人間の脳は約8キロです。
かみ合わせのバランスが悪い状態は、脳を支える筋肉のバランスに影響します。
重い脳を支えるために、筋肉のバランスは良い状態にたもたれていなくてはなりません。
かみ合わせのが悪いと顎の筋肉とつながっている首の筋肉が緊張します。
筋肉のバランスが崩れたことにより生じる症状
①頭痛、肩こり、筋肉痛に悩まされることになる。
②姿勢がわるくなるので腰に負担がかかり、腰痛がおこる。
③神経が圧迫されることにより、手足の指がしびれる。
④顎関節症(あごの疾患)の痛みを感じる。
また、あわない入れ歯を我慢して無理に使っていたりしてもかみ合わせに異常がおきることもあります。
入れ歯を作る際には高度な技術とたくさんの時間と手間をかけて作られます。
歯があったときのかみ合わせの位置、感触などはもうわからないので、いろいろな方法で計算したりして確認します。
それでも人工物は天然の歯にはかないません。
ご自分の歯を一本でも多く保ち、機能させるのが一番大切ですね。
Posted by yuri : 11:52 | トラックバック (0)
