歯科から見たダヴィンチの業績

歯科から見たダヴィンチの業績

『美の追究』 ~審美と噛み合わせのハーモニー~

1991年から4年間に渡り、歯科の専門誌に『美の追究』というタイトルで、当院顧問の稲葉繁が、審美歯科について連載させていただいておりました。

当院の審美歯科治療は、すべて、このコラム『美の追究』を原点としております。

私たちが考える、審美歯科は、歯を白くするだけの技術ではなく、もっと根本的な審美の法則に基づいております。

このブログを読んでいただいている読者の方にお伝えすることが出来ればと思います。

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歯科から見たダヴィンチの業績

レオナルド・ダヴィンチはイタリアが産んだ天才画家として知られています。

彼は、画家、彫刻家、建築家、軍事技師、舞台設計家、音楽家、物理学者、作家、数学者、地質学者、天文学者、解剖学者、自然史科学者として、その生涯の中で多種多彩な業績を残している人物です。

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こちらは、ヴェロッキオのキリストの洗礼で、左側の天使がレオナルドが書いたものですね。

天使の絵はヴェロッキオよりも優れていると言われた、レオナルドの初期の絵です。

私も、イギリス、ウィンザー城でダヴィンチ展を見る機会がありました。

お城を囲む大行列、 あまりにも素晴らしすぎて、みんな見入ってしまい、1分に一足しか進まないので、大混雑だったのを思い出します。

レオナルドの業績の中で、私達歯科医師に関係する範囲は解剖学と、人体比例学です。

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晩年、彼はあらゆる年齢層にわたる男女を30体以上解剖したの述べていて、その解剖所見を詳細に記録し、当時は手に入りにくい鏡に映さなければ読めない文字、、鏡文字の説明を添えています。

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歯科の分野では、頭蓋骨の立体観察図は見事で、顎骨や歯の形態、噛み合わせの状態を正確に表しています。

また、唇や舌の形態と機能、重たい頭蓋骨を支える筋肉と骨、腱の構造は現在の顎関節症から考察すると、とても興味深いものです。

さらに、レオナルドの仕事の中で代表的なものに人体比例学があり、顔の分析、人体の各部の長さを相互に比較し、基準を設けています。

スフマート、そして人体比例学は歯科の分野でもきわめて利用価値が高いものです。

歯を失ってしまった方、歯の治療で全体的に噛み合わせが低くなってしまった患者様にレオナルドの人体比例図は非常に利用価値が高いです。

噛み合わせの高さがわからなくなってしまった患者様の顔の形を人体比例法により計測します。

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頭の長さ、頭のてっぺんから顎の長さの半分の位置は眼角で、目を閉じた時の瞼の合わさった位置は頭の半分です。

顔の3つの部分に分けられ、真ん中に位置している鼻の長さ、鼻根点から鼻下点までの距離、鼻下点から頤下端の距離、鼻根点と顔の上端と等しい、さらにこの長さが眼角から口唇線の距離と等しく、これが耳の長さとも等しい。

ということは歯科治療にとってかなり利用価値が高く、特に噛み合わせの高さの決定の目安となります。

解剖図や人体比例学などを研究したことにより、『モナリザ』 のような素晴らしい女性が描かれたのでしょうね。

1452年4月15日に生まれ、1519年5月、67歳で生涯を閉じ、世界はこの世で最も偉大な科学者を失いましたが、イギリスのウィンザー城には226枚の手記と解剖学のデッサンが数多く残されています。

またぜひ、訪れる機会があればと思います☆♪