SAE DENTAL VERTRIEBS GMBH〜放電加工技術〜
いよいよ、放電加工機と初対面!
私が、この技術を知るきっかけとなったのは、
IPSG20周年特別記念講演会のゲスト ドイツ・チュービンゲン大学 歯学部長 Prof.Dr.H.Weberの講演をお聞きしたところからです。
The German state of the art of combined fixed removable partial dentures and implant stabilized supra structures.
『最先端補綴修復治療の最新情報-従来からの固定性および可撤性補綴物ならびにインプラント埋入及び修復術』
初めて講演を聞いた時は、この技術が一体何なのかさっぱりわからず、コバルトクロムを用いるメリットもわかりませんでした。
しかし、Weber dental labor 開業。
その時、Weber教授からアドバイスを頂きました。
「あなたのラボには、これから絶対コバルトクロムを加工する放電加工技術を取入れるべきだ。」
と、おめでとうの前に言われました。
それからラボ設計の段階で、放電加工機のサイズを調べて将来のために場所も確保しておきました。
今となっては、私の夢となり目標となった放電加工技術。
その1歩を今回のドイツ訪問で踏み出す事ができたと思います。
彼は、放電加工を専門とし、月に平均10から20ケースのテレスコープのケースを任されています。
歯科技工士ではありません。
放電加工マイスターと言ったところでしょうか(^_^)
そういえば、SAEでは鋳造だけ専門に行う技工士がいらっしゃるそうです。
夜中に鋳造しておいて、朝5時に何十個ものケースを掘り出すところからはじまり、皆が出社する7時に間に合わせているとお聞きしました。
効率的ですね!
部門別にとても親切に丁寧に説明してくださいました。
マイスター大川さんのスペシャル通訳がいてくださった事で、普段思考能力が低い私が、色々なことを思い描き、フル回転することができました。
ずっと、カタログやDVDで眺めていた放電加工機は、意外と・・・
可愛い(^_^)笑
ピンク色だし、もっと音が凄いのかと思ったら、静かに控えめな感じでテキパキ動いています。
こちらは、インプラントの上部構造の上に可撤性テレスコープを用いる症例。
ところで、私と同様に、放電加工って何?
って思われる方多いと思います。
例えば、車の部品など、とても硬い金属を加工するための技術として製造業ではずっと前から用いられています。
25年前に、それを歯科の技術に取入れることができないだろうか。
とひらめいたのが、SAE代表、Mr.Günter Rübeling.
天才的なひらめきだと思いませんか?
凄い!
マイナスとマイナスがくっつくと、ジリジリって火花が立ちますよね?
その原理を用いて、電極と金属の間を、水のような液体を注入しながら、電極の形にジリジリ火花を立たせながら、削り取っていく技術です。
コバルトのようなとても硬い金属を、1000度の熱で溶かしながら削り取っていくっておっしゃっていました。
片側リーゲルテレスコープの加工。
緑色っぽい液体は水なのか何なのかお聞きするのを忘れてしまいました。
意外と静かに、ジリジリと放電します。
これは、ちょうど、シュベンクリーゲルのレバー部分を掘り出しているところ。
上がシュベンクリーゲルのレバーで、下の銅を突き刺し放電させます。
そして、コバルトクロムの棒を差し、旋回させます。
こちらは、旧式の放電加工機ですが、まだまだ現役でがんばっています(^_<)-☆
憧れの機械の前で、記念写真を。
嬉しくて、気分が高揚しています・・・
これだけ精密なインプラントの上部構造を適合,Passive fit させるには、圧力はかけてはいけません。
スーッと入る感覚です。
そのためには、オクルーザルコアなどを用いて、事前に様々なチェックを行います。
まだまだ、勉強不足なのでわからないことも多いのですが、まずは第一歩。
今回の訪問で、沢山腑に落ちたことがありました。
勢い良く、ここまで来てしまいましたが、皆快く迎えてくださり感謝の気持で一杯です。
また、大川さんが一緒に来てくださらなかったら、こんなに深く学ぶ事はできなかったでしょう。
改めて感謝の気持をお伝えしたいと思います。
英語でのカタログを頂いたので、もっと勉強して・・・
と言いたいところですが、日本から症例を直接送っちゃおうと思います!(^_<)-☆
ということで。
あっという間のドイツ訪問もおしまいです。
長々と読んで頂き、ありがとうございました♪
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