コーヌスクローネのご紹介〜ドイツにおける製作方法・その2〜

コーヌスクローネのご紹介〜ドイツにおける製作方法・その2〜

こんにちは。

Weber dental labor 稲葉由里子です。

今日は、コーヌスクローネの内冠製作上、最も大事な軸面出し、研磨方法についてお伝えしたいと思います。

コーヌスクローネの維持力を確実に発揮させるためには内冠の製作をいかに正確に行うかが重要です。

言いかえれば『コーヌスクローネの生命は内冠の軸面出しにあり』 と言っても過言ではありません。

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使用金属は、できる限り白金加金を使用すること。

100%時効硬化ができるものであればさらに望ましいです。

コーヌスクローネのトラブルの第一は装着後の維持力劣化にあるとされています。

硬度の高い弾性のある金属が適しているため、パラジウムのような金属では調整はほとんど不可能です。

研磨に関しては、内冠に付与したコーヌス角度を正確に研磨することが必要です。

コーヌスクローネのクオリティーを決定するのは内冠の研磨方法です。

内冠の表面を確実な直線で仕上げる事です。

直線に仕上げるためにはフリーハンドではどんなに注意していても丸みが付いてしまい、不可能です。

フリーハンドの手研磨で曲線に仕上った物は、装着直後は維持力が出ますがしばらくすると維持力が落ちてしまいます。

従ってフリーハンドで研磨する方法を習った人は維持力を継続するのが困難であるためコーヌスクローネの評価を落としてしまいました。

それに比較して器械研磨した物は確実な表面の直線仕上げにより、永続性のある維持力が得られ、義歯を長期に使用する事が出来ます。

確実な方法としては、ミリングマシーンを使い表面を直線で仕上げる方法、あるいは稲葉先生が開発した横型研磨器を使う方法が有ります。

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こちらは、稲葉先生が開発した、横型研磨器です。

当時KaVo社からK9研磨機として販売されていましたが、今では他社でこれを真似た研磨機が販売されておりますが、日本ではなかなか手に入らない貴重な研磨機です。

IPSGで、横型研磨機を製作しようと思いましたが、KaVo社のK9研磨機の精度を超える事がどうしてもできませんでした。

沢山量産するよりも、少なくともしっかりとした技術を持った技工士が正しい製作方法でコーヌスクローネの価値を保った方が良いと思います。

IPSG認定技工所においては、K9研磨機を取り揃えておりますし、もちろんWeber dental labor にも常備しております。

Yahooオークションに出されると、一瞬で落札されるほど、皆どうにかして手に入れたい研磨機であります。

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稲葉先生が開発した横型研磨機を回転させながら水平に固定したハンドピースの先端に取り付けた円盤の平面を当て、モーターで高速で回転させて内冠の研磨を行うものです。

時間的にも節約できると同時に、仕上がりも理想的で鏡面仕上げが可能です。

また、取り扱いも簡単で、初心者にも失敗なく正確に軸面出しが出来るところが非常に魅力的です。

一度に何本支台歯があっても接着方向を決定したならば、常に同じコーヌス角度で一定の研磨が可能となります。

研磨を行う軸の調整により、希望のコーヌス角の付与も簡単にできます。

鏡面仕上げした内冠にパターンレジンで外冠を作成し、埋没剤をコントロールしゼロフィッティングさせたコーヌスクローネは確実に長期に使用する事が出来ます。

義歯装着後に安定した状態を得るためには内冠と外冠の間に隙間を作らないほうが結果が良いということで、『ゼロフィッティング』という考えが生まれました。

これには様々な必須条件があります。

金属はゴールドを70パーセント以上を含有し、それに白金を加えた合金を使う。

ヴィッカーズ硬度250程度の時効効果(鋳造したまま放置し硬度を増す効果)のある金属を使用し、埋没剤の混水比の調節により1.5パーセントの膨張を得る。

これらの条件を満たすことで、ゼロフィッティングをさせることが可能であるということが分かっています。

次回、コーヌスクローネのご紹介は、

・コーヌス角について

・シュレーダゲシーベについて

・口蓋を利用する床について

お伝えしたいと思います♪