カボシステムを応用した究極の総義歯〜難症例への対応〜

カボシステムを応用した究極の総義歯〜難症例への対応〜

6月11日、12日に顎咬合学会学術大会が東京国際フォーラムで開催されました。

今年もカボデンタルシステムズジャパン共催によるランチョンセミナーにおいて、稲葉繁先生が1時間講演をさせていただきました。

「カボシステムを応用した究極の総義歯〜難症例への対応〜」

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今年も、400名分のチケットはすぐに売り切れてしまい、お弁当がなくとも聞きにいらっしゃる方など、全国から沢山の先生方にお集りいただきました。

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「顎の骨が吸収していたり、顎の位置を決めたりということは、私にとって、そんなに難かしくありません。」

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「それよりも、私が経験してきた中で難しいと感じたのは、オーラルディスキネジア、脳梗塞などで片側性の麻痺がある方、小児麻痺による不随運動、顎関節症により関節円板に穴があき痛みを伴うケースなどです。」

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オーラルディスキネジアは、パーキンソン病の治療薬の副作用などで発症し、不随意運動(無意識におきてしまう運動)を伴います。

症状としては、無意識に口をもぐもぐと動かして咀嚼しているような動作をしたり、舌を出したり引っ込めたりしたり、唇を吸引したりなめ回したりすします。

まさに、総義歯の難症例とも言えますが、上下顎同時印象法により解決することができます。

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このような症例では、吸着のよい入れ歯の製作を心がけるとともに、舌で外そうとしてもどこにもひっからないよう、舌側の形態に注意することが大切です。

そのために上下顎同時に型採りを行ない、口の周りの筋肉の動きや舌の運動の記録を取り、不随意運動を行っても邪魔にならないような形態にします。

特にサブリンガルルーム、舌側を十分に延ばし、舌が床の下まで潜り込まないような形態にし、舌の圧力が加わっても入れ歯が動揺しないように、人工歯のまた、舌を前に出すと、顎舌骨筋が挙上し、入れ歯を浮かせてしまうので、後ろの部分は短くする必要もあります。

そのためには、口の中の正確な情報を再現できる上下顎同時に型採りする方法が優れています。舌側は、舌が突出しても入れ歯の表面を滑ってしまう形にします。

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右側の顎に痛みがあり、お口を開けると左側にずれて、真っすぐに開けられなかったケースも上下顎同時印象法により解決できた症例です。

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入れ歯は右側に比べて左側の歯が異常にすり減っていました。

顎関節のレントゲン写真をみると、左側の関節円板が落ちており、顎関節症と診断できました。

上下顎同時に型を取り、KAVOProtar咬合器のPDRInsertを用い、下顎頭を下方に下げて顎がスムーズに動くように調整。

顎機能咬合解析システムCADIACSを使い、右の顎が2ミリ下がっていることを確認して入れ歯を完成させました。

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小児麻痺で不随運動を伴う患者様。

常に口元を動かすため、総入れ歯にとっては非常に難症例となります。

それでも、シュトラックデンチャーで噛み合わせを決め、最後、装着まで治療することができました。

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このような、難症例もKaVoのプロター咬合器を用い、上下顎同時印象を行う事で対応することができます。

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長い総義歯の歴史の中で、多くの人が様々な術式を考えてきました。

それは、デンチャースペースをどのように再現するか、あるいは、もともとあった歯の位置はどこであるかを捜し求めてきたものです。

頭の骨は様々な関節によって結合されています。

歯の噛み合わせも結節であるといえるため、別々に作って適合させるよりも、一体となったものを2つに分ける方がより合理的であり正確です。

その点、上下顎同時に型採りし、一体化した情報を咬合器し上下顎の入れ歯を作り、それを合体させたほうがよい結果を得ることができるはずです。

上下顎同時に型採りする方法は、単純で誤差の少ない確実な方法です。

また、このシステムの特徴は、入れ歯によって顎関節を守ることも可能なことから、顎関節症の治療にも有効です。

このシステムにより、噛むことに多くの不自由を感じている患者様、また在宅要介護高齢者、脳血管障害の後遺症により麻痺のある患者様にも応用され、福音が得られることを望んでいます。

稲葉歯科医院、難症例治療症例に関してはこちらをご覧下さい。

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