« 2009年08月 | メイン | 2009年10月 »
症例
上下顎同時印象法による総入れ歯
歯がない状態と、上下顎同時印象法による入れ歯をいれた状態では、こんなに違います。
初診
入れ歯がゆるくてかめない、動くから痛い。
人前で話をするのがおっくうになるという理由で来院されました。 歯に対して、とても劣等感があるともおっしゃっていました。
痛くなく、食事が楽しめて、劣等感をなくしたい。
という切実な希望により、上下顎同時印象法による総入れ歯で治すことになりました。
第一回目の型取りをしました。
模型にしたものと、以前使われていた入れ歯を比べてみると、入れ歯、本来のスペースよりもだいぶ小さく作られていて、筋肉によるサポートがほとんどないことがわかりました。
この模型をもとに、精密な型取りをするための道具をつくります。
ここからは2回目の来院です。
下の写真はゴシックアーチといって、顎のうごきの記録をとるものです。
顎の動きは正常でした。
上のトレーを使って、上下を一緒に精密な型取りをします。
このとき、同時にからだの正中に対する顎の位置の記録、かみ合わせの高さも同時に記録します。
型取りの最中に、つばを飲み込んでもらうことで、食事をしているときのお口の中の筋肉の状態が再現されます。
型取りをしたあと、その人の肌の色、顔の形を見ながら、人口の歯を選びます。
たくさんの情報を、咬合器というかみ合わせの器械に移します。
この模型で、入れ歯を作ります。
入れ歯が完成する前にワックスで形を作り、人工の歯をすべて並べた状態で、チェックします。
このとき、発音、適合、審美性など、こまかく確認をします。
重合はイボカップシステムで行います。ワックスを硬い材料にかえます。
入れ歯が完成、お口の中に入れたところです。
フルバランスドオクルージョンというかみ合わせの誘導をつけています。
咬合器の情報がそのままお口の中でもしっかり合っていました。
入れ歯を入れた後、数回の調整を行い、患者さんはこの入れ歯を自分の体の一部にしてしまいました。
発音がしっかりできるようになったことも喜ばれていました。
症例
入れ歯による顎関節症の症例
この患者様はある先生からのご紹介で、
「すべて歯を治したのだけど、顎の具合が悪くなってしまったので診ていただきたい。」
とのことでした。
診てみると、このような状態でした。
治療されている歯はすべて保険の歯で、奥歯が銀歯でいっぱいでした。
神経もほとんど治療されていて、治療が終わった後は顎関節症になってしまいました。
患者様は精神的にも病んでしまっていて、お顔の表情も暗く、体全身、顎の具合も悪い状態でした。
患者様に状態を説明して、すべて やり直しをすることになりました。
上下の歯、すべて、セラミックでやり直すことになったりました。
稲葉繁先生と、技工士の川崎従道先生との連携によるものです。
川崎従道先生とは、スイスで10年間技工を勉強しながら働き、スイスの技工士学校の講師も務めていた、非常にすばらしい先生です。
先生の作った歯は、天然歯の美しさに限りなく近く、とても細かい機能まで再現されています。
体の正中に対する顎の位置を記録、型とりの方法は、DR.LEHMANによるシリコン印象法です。
精密に型とりをした模型を技工士の川崎先生へ送ります。
歯肉つき模型を製作します。
診断用のワックスアップ
ワックスで歯の形を作り、最終的にどんな形にしたらいいかを診断します。
歯一本一本、ルールのある形、溝がついていて、顎を前に出した時、横にずらした時の通り道をワックスで再現してあります。
ワックスで形が決まったら、セラミックを焼きつけるメタルコーピングを製作します。
完成したセラミック
一本につき、24色の色を使っているそうです。
以前、私がセラミックを作る実習を川崎先生から受けた時、一本作るのに一日かかりました。
24本の歯を作るのにどれだけの時間と集中力が必要なのかがわかります。
セラミックをお口の中にセットした状態。
ほとんど無調整です。
患者様の表情も、治療前と後ではこんなにかわり、素敵な笑顔に。
歯を治したと同時に顎の具合も良くなりました。
そして、5年後の写真。
治療した当初よりも歯と歯ぐきがなじみ、美しくなっています。
現在治療後10年近くたちますが、今もかわらず素敵な笑顔でメンテナンスをされています。
保険の入れ歯と上下顎同時印象法による入れ歯の違いについて
保険の入れ歯と上下顎同時印象法による入れ歯の違い
小さい方の入れ歯は保険で製作した入れ歯です。
大きい方は上下顎同時印象法で製作した入れ歯です。
同じ人の入れ歯とは思えませんが、同じ人です。
製作方法の違いによってこれだけ変わってしまいます。
保険の入れ歯は粘膜の型とりだけするため、このような小さい入れ歯になりがちです。
入れ歯はお口の中で動いてしまうし、もしかしたら飲み込んでしまうかもしれません。
上下顎同時印象法により製作する総入れ歯は、お口の中すべての情報を記録し、再現できます。
症例
22年経過したリーゲルテレスコープの症例(稲葉繁先生による)
初診の状態
上の歯は前歯に部分入れ歯、下の歯は奥歯が欠損していて、バネつきの入れ歯がはいっていました。
入れ歯を口からはずした様子
このままだと近い将来、総入れ歯になる可能性が高いです。
部分入れ歯の金具(バネ)による歯の負担が非常に大きいからです。
これ以上、歯を失いたくないという患者様のご希望により、上下の歯をリーゲルテレスコープで治療することになりました。
1987年当時、いまから22年前としては非常にめずらしい、全部の歯を一緒に鋳造しています。(ワンピースキャスト)
完成したリーゲルテレスコープ、すべて一体で鋳造しているため、とても強いです。(ろう着だと、折れてしまいます。)
リーゲルテレスコープは途中で入れ歯が折れたり、割れたりすることはありません。
10年経過したリーゲルテレスコープ。
装着したときとほとんど状態が変わっていません。
修理も必要ありません。
17年経過、写真むかって右側の犬歯の歯が割れてしまいました。(もともと神経がない弱い歯でした)
歯をぬくことになりましたが、リーゲルテレスコープは修理をすることができるため、修理し、抜いたその日のうちに入れ歯を使うことができました。
患者様は22年前に、この方法で治さなかったら、歯をすべて失ってしまっていた。
とおっしゃっています。
現在も、奥様と一緒に毎月メンテナンスにみえています。
このように、リーゲルテレスコープは、今ある歯を連結固定して、守ることができます。
そして、メンテナンスにより、歯の寿命をのばすことができます。
症例
先日、マグネットのついた部分入れ歯を入れた患者様が来院されました。
「かめない ・・・・」
ということです。
たしかに手で取り外しができるぐらいの接着力、食べ物をすりつぶす力で簡単にずれてしまうと思います。
リーゲルテレスコープは入れ歯の中に小さな鍵のようなものが組み込まれたものです。
その鍵の開閉によって入れ歯を着脱します。
食べ物をすりつぶす力ではけっしてはずれません。
リーゲルテレスコープの症例(稲葉 繁先生による)
とても難しい症例です。
上の歯は前歯だけしか残っていなくて簡単な歯が入っていました。
問題は下の歯です。
前歯のすり減りがはげしく、後ろの歯は極度に骨が吸収しているのがわかります。
食事をすることができなくなってしまい、入れ歯はすぐにこわれてしまうとのことで、 非常に困って来院されました。
とりあえず、今使っている歯を補強して修理をしました。
かみ合わせの平面もずれていたため左右対称にそろえました。
上の歯も仮の歯を入れたところです。
この時点で患者様はかめることに非常に喜ばれました。
ワックスで模型診断をしたあと、上下の歯をリーゲルテレスコープで治すことになりました。
下の写真は精密な型取りをしたところです。
出来上がった上の歯です。
鍵(リーゲルレバー)が閉じている状態と開いた状態。
指で簡単に開閉することができます。閉じると舌で触っても全くわからなくなります。
とりはずしができるブリッジのようなイメージです。
下の歯のリーゲルテレスコープです。
鍵が閉じているところと開いているところです。
歯の部分はセラミックで作ったため、審美的にもとてもきれいに仕上がりました。
お口の中に入れると、金属の部分は見えなくなります。